「蓮己、お前はこっちにこい。」


ほとんど人のいなくなった体育館には、生徒会と風紀委員が残っています。


まるで、この状況を予期していたかのような…


星夜の言葉はさらに私にそう思わせた。


私だけがなにも知らないんでしょうか?

それは何故?

「蓮己!」


星夜の呼び掛けには答えず、それだけを考えていた。


私に言えないなにかが起こっている。

それが何よりも胸騒ぎをさせる原因です。


「星夜、何が起こっているのですか?」


「………」


「何が起こっているのか分かっているのでしょう?
何故私に隠すんですか?」