「…はぁ。珀炉、いるんですよね?出てきてください。」

図書室を出た後の廊下で、私はアイツを呼んだ。
多分、ついてきてると思いますから…


「あれ?気づいてたの?」

「当たり前です。」

「いつから?」

「仁科先輩に会った辺りからですね。」

「最初からかよ。」


いや…最初からって訳ではないんですよね…。
3年の男の先輩が襲ってきた当たりから殺気を一気に感じて、もしかしたら…と思ってそっちに気を集中してみただけです。
まぁ、半分ぐらい検討はついてましたが。


「もしかして…怒ってる?」

「いえ。何に怒る必要があるんですか?」

私のこのしゃべり方はいつものことですし、私自身怒ってるつもりなんて微塵もないですが…

「あ…えっと…ついてったこと…。」

「そんなことですか。怒ってないです。」

まぁついてきたことは反省すべきですが、出てこなかったのでまぁいいかな?と私は思ってるので。