「会長〜、頼まれてた花ってこれくらいでいいですか〜?」


椅子を並べている最中、入り口から真尋の声が……


いえ、正確には入り口より少し離れたところですね。


「え、天苑ちゃん、真尋になに頼んだの?」


「男性に持ってもらう花を。
ちなみに薔薇ですよ。

紅葉の好きな。」


「あれ〜そんなこと言ってなかったじゃん?」


「まぁそれぐらいいいじゃないですか。」


最初はリングにしようかと思ったんですが、予算的に無理だったんですよね。


その後は何か別々の物にしようかと思ったんですが…


そこで丁度紅葉の名前を思い出したものですから。


薔薇にしたんですよね。