隣の山田君


「父親です―

 山田君はお母さんの連れ子で

 今の父親の元に行きました。


 初めはとても優しかったみたいなんですが、

 3年前に妹が出来てから、

 愛情がそっちに行っちゃったんでしょうね。

 段々、虐待を受けていたそうで…。


 私は毎日放課後残って一緒に居てやりました。

 母親が帰ると虐待はなくなるから、

 母親が帰る19時まで、大抵学校にいました―

 父親は公務員で帰るのが早いとか…。」


「なんでそれをもっと早く言わないんですか!?」


「私が確認したわけじゃないし、

 この前の通夜の挨拶ではそんなこと感じなかった―

 山田君の勘違いじゃないのかなぁ~?

 って思ったり…。」