夢は、みているだけじゃ叶わない。
そんな当たり前のことさえも、私は分かってなかった。
そんなことじゃ、プロにはなれない。
女優志望だなんて、到底言えない。
だけど、怖い。
得体の知れない怖さが背後から迫ってくる。
外の世界と交わること。
それは、嫌でも自分の力を思い知らされてしまうものだから。
『実力がない』
自分で言うのと、人から言われるのとは全然違う。
お前には才能がない。
女優になんてなれない。
諦めなさい。
そう言われてるのと同じだ。
そう、言われてしまうことが、現実を見てしまうことが怖くて怖くてたまらない。
