光の翼【編集中】


「…でもさぁ。外部のオーディションなんて敷居が高いって言うかさ。

私なんてまだまだ実力不足で足元にも及ばないっていうか。」


夕日も沈みかけた帰り道。
駅までの道を、莉衣子と二人、並んで歩く。


「…何言ってんの?」

「だって、演劇部の中だけでも、莉衣子とか、実力のある人がいっぱいあるんだよ。

外にはもっともっとすごい人がいっぱいいると思う。

外部のオーディション受けるってことは、そんな人たちと、闘っていかなきゃいけないんだよね?」


部内のオーディションですら、敵わない相手がたくさんいるのに。

現に、主役に選ばれたのは、莉衣子だった。


「光梨、怒るよ。」

「…え。」

「夢はみてるだけじゃ叶わないんよ?

そんなこと、光梨は分かってると思ってた。」


頭を、何か硬いもので殴られたような感じだった。
莉衣子の言葉が、鋭く胸に突き刺さって。

私は暫く身動きが取れなかった。