『目から鱗』っていうは、このことだと思う。
お風呂から上がってストレッチをしながら颯太に借りた雑誌をめくっていると、私は自分の物知らなさに愕然とした。
そこに載っていたのは、単なるオーディション情報だけじゃない。
オーディションやコンテストの情報はもちろん、
応募書類の書き方
面接の心得
プロの役者さんたちの心構え
今まで私が目にしたこともなかった情報のあれこれが、写真だったり、インタビュー記事だったりと様々な形で並んでいた。
「…なんで、今まで知らなかったんだろう…。」
今まで、目先のことにいっぱいいっぱいで、新しい情報を探すなんてこと、頭になかった。
演劇学科を受験したのだって、その時私が受験生で、目の前に高校の情報がたくさんあって、それで、演劇を学べる学校がある事を知っただけで、自分から調べて知ったわけじゃない。
「…こんなんじゃ、だめだなぁ。」
本気で目指すなら、もっと情報に敏感にならなきゃ。
もっともっとアンテナを広げて、待ってるだけじゃ、だめ。
自分から、情報を拾いにいかなきゃ。
たった1冊の雑誌が、『もっと頑張れ!!』って私を奮い立たせているような、そんな気がした。
