「ほのかちゃーん!見てきたよ!」
「あっ!」
私は小走りで駆けてきた彼を眼の端にとらえた。
「誰だよ、こいつ。」
拓海は不思議そうと言うか、不機嫌な声でそのこをとらえた。
「えっと、稲葉郁人(いなばいくと)っていいます。あ、俺と同じクラスだったからよろしくね。」
「え・・うん。よろしく。」
郁人君の王子様スマイルで半分心を持って行かれそうになった私。
拓海はまだ不機嫌そうな顔をしている。
拓海ってば見る目ないんだから。
こんないい子、きっといい友達になれると思うんだけどな。
「拓海君だっけ?君も、同じクラスだったからよろしくね。」
「まじかよ・・・」
拓海は顔を思いっきりしかめた。
その頃私は浮かれ気味・・・
拓海と同じクラスだ~
これで、いつでもどこでも拓海と一緒。
まあ、あきらめなくていいって言われて良かったかも。
絶対にあきらめられないからね。



