アイリス~不良学園のボス~

「ちょっと、待って!」




私の声に成泰が立ち止まる。



だけど背中を向けたままで振り向いてはくれない。



いつもの優しい視線を向けてはくれない。



さっきの言葉は聞き間違えや空耳ではなかったんだとわかる。




「どうして?いきなり?私なにかした?」




思いあたる理由なんてない。



喧嘩もしていないし、成泰を怒らせるようなことをした記憶もない。