「だってっすよ!なにやっても一生懸命で純粋っていうか、俺たちみたいな人間の周りにはいないタイプじゃないっすか」


「あれでも菖蒲は気が強いし、自分の信念をそう簡単には曲げねぇ頑固もんだ」


「そこはフジさん譲りってことっすね」




菖蒲ちゃんの話になると表情が変わるフジさんは、相当妹を大事に思っているらしい。


成泰に同情してやれるな。



「だから俺がいくら言ってもあの野郎とは別れねぇだろうな」


「いいじゃないっすか!若い者同士自由に恋愛させてやれば」




こんなこと言う自分に年いったなって笑いそうになる。