ピピピ…

「…うるさいなぁ…。」
目覚まし時計を止めると、いつも通りの1日が始まる。
私は高野風亜。
至って普通の高校1年。
頭の良さも普通。
顔も普通。
絵に書いたような平凡女子だ。

「ふぁ~…。お腹空いた…。」
そう言うと狙ったかのように母からご飯コールを告げられた。
一階に行くと、味噌汁のいい匂いが漂ってきた。
「おはよう~…。」
いまだに眠たそうにしてる私に母は、早く食べちゃいな!と渇をいれた。
つまり背中を叩かれた。
「お母さん…少しは手加減してよね…。」
私はそう呟き、朝ごはんを食べた。
今日の朝ごはんは和食。
焼き鮭と白米と味噌汁。
シンプルなメニューだ。
朝ごはんを食べ終えると、私は制服に着替えて駅に行く。

「行ってきま~す!」
家から出て10分位歩くと、最寄り駅に着く。
そして定期券を見せて、ホームに向かって…。
ここまではいつもと一緒。
でも、事は起きた。
「あー!電車行っちゃったー!」
いつも乗る電車が行ってしまったのだ。
「ちくしょ~…、遅刻決定じゃん…。」
私は落ち込みながら、不意に反対側のホームを見た。
すると私と同じように電車を逃してしまったのか、男の子がかなり落ち込んでる。
「仲間がいたや…。」
私は少し嬉しくなり、その男の子をジーと見てた。
すると、視線に気付いたのか男の子が私を見た。
まぁ当然目が合った。
その瞬間、私の胸が急に苦しくなった。
「…?」
初めての感覚で私は、これがなんなのか分からなかった。

ここで私の、遅すぎる初恋が始まった。