「あぁー。うけたな!」

「なっ!このメンツ最高だ!」

「ちょー楽しかった!ね、かな!」

「うけたー!」


カラオケ店を後にして
みんなでゲーセンに向かった。


「プリ撮るぞー!」

「「いぇ〜い!」」


みんなで変顔したり、どや顔したり、
今まで撮った中で
一番賑やかなプリを撮った。


「今日はありがとうな!」

「また遊ぼうぜ!」

「うん!また誘うね!」

「また明日ねぇー!」


男子二人と別れて
はるかを家に送るために
一緒のバスに乗った。


「今日久しぶりに
かなの本気の笑顔見たよ。」

「えっそう?」

「最近また、暗かったから。」

「そんなつもりなかったけど…。」

「うちにはわかるの!
また左腕…切ったんでしょ?」

「…何でわかるの?」

「一番近くでかなを見てるからね。」

「なんかそれ、彼氏みたい。」

「ははっ…。彼氏みたいなもんでしょ!」

「えぇー、やだーっ!」

「あっひどーい!」

「あは、冗談。」

「まったく…。かなはすぐ
一人で抱えるからなぁ…。」

「そうかなぁ?」

「そうだよ!少しは頼って
って何回も言ってるでしょ?」

「わかってるよっ。」


はるかには本当に敵わない。

勘なのか、観察なのか、超能力なのか…。

私のこと何でもわかっちゃう。


たまにはるかの前で
見せる自分と家での自分、
どっちが本当の
自分なのか分からなくなる。

たぶん…どっちも本当の自分だろう。

家では私の闇の部分。

はるかの前では光の部分。

二重人格ってきっと
私みたいなのを言うんだと思う。


「…はるか、ありがとね?」

「何?いきなり。」

「なんとなくっ!ほら、着いたよ!」

「かな、少し上がって行ったら?」

「んー。今日はいいや。
騒ぎ疲れちゃったから。」

「そっか。気をつけて帰ってね!」

「うん!また明日ね!」


はるかと別れて自宅へ向かう。


自宅に近くにつれて、
さっきまで光で満ちていた私の心は
だんだん闇に覆われていった。