キーンコーンカーンコーン


「かな行こーっ!」

「うん!」

「ひろとも行くよー!」

「おぉ!ゆうたも連れてくから!」


ひろととゆうたは、同じくクラスの
ちょっとチャラい感じの男子。


二人とも気さくで、明るくて
すごく接しやすいから
何度か話したことがある。


でも…チャライい人は苦手。


はるかが言うには私もチャライい
分類に入るらしいけど、
自分ではそんなつもりない。



「てかこのメンツでオケるの初じゃね!」

「だなぁ!プリ撮るか!」

「いいねいいね!」



勝手に盛り上がってる
三人の後をついて行く。


見慣れたカラオケ店に着くと
テーブルを挟んで
はるかの向かえにゆうた、
私の向かえにひろとが座った。



「とりあ飲み物頼むか〜。俺、コーラね!」


勝手に仕切り始めるひろと。


「んじゃ俺、麦茶で。」

「うち、アイスココア!かなは?」

「あっじゃぁ、イチゴミルクで…。」

「おっけーぃ。」


ひろとが部屋の受話器を手に取る。


「イチゴミルクって…可愛いなぁ。」

「可愛いのは見た目と好みだけだよ〜。」


ゆうたが私をからかうと
はるかがとっさに口を挟んできた。


「こんな可愛い見た目で
酒は飲むわ、煙草は吸うわで
全然可愛くないんだから!」

「えっちょ、はるか!」

「まぢぃ?かなって意外と不良じゃん!」

「めっちゃ意外だな!
ギャップ萌えってやつ?」



出来れば言わないで欲しかった私の一面。

まぁ言われても困ることは
ないからいいんだけど…。


「まぁ秘密が分かって
仲良くなれたってことで!」


能天気なはるかは、
場の空気を盛り上げるのが上手い。


「んじゃ、今日は楽しみましょー!」


いつの間にか運ばれてきた
飲み物を手にとって乾杯する。


何だかんだ言って私も
みんなと一緒に笑っていた。