親からの愛を知らず、
とんでもない扱いをされてきた私は
当然のように心に闇を抱えていた。


家では必要最低限のことしか話さず、
学校ではその辺にいるような
普通の高校生を演じている。


家と学校での自分が違いすぎて
ほんと…疲れてしまうくらいだ。

私をこんな私にした親に
感謝なんてするつもりはない。

けど、この勝ち気な性格に
してくれたことだけは良かったと思う。


この性格のお陰で私は今まで
生きてこられたと思うから。



それなりに友達もいて、
まぁ恋愛経験だってある。

容姿もそこそこ可愛い方だし、
生まれつきの金髪に近い茶髪と
色白のお陰でフランス人の
ハーフに間違えられることもある。


悲惨な家庭環境を除けば、
きっと恵まれている分類に入ると思う。



だけどね…人間は欲張りなんだ。


あるものを当たり前だと思い、
ないものを欲しがる。


私が欲しかったのは…

『一般的な普通』

『愛』

ただそれだけだったんだ。