「…えっあ、ちょ…。」

「なーに赤くなってんの?」

「だって…。」

「ほんと、可愛いやつ!」


明らかに動揺を隠せない
私をからかうたくや。


動揺するのは当たり前だ。

あんな不意討ちで
動揺しない方が
きっとどうかしてる。


「かな?」

「えっ、ん?」

「…好きだよ。」

「知ってる…。」


精一杯の私の強がり。

なんか悔しいもん。


「知ってたの〜?
顔真っ赤なかなちゃんは
強がりですねぇ…。」


強がりのかいもなく
あっさりかわされる。


「むかつく。」

「そんな膨れっ面しないの!
どっちにしても可愛いけど。」

「もお!たくやうるさいっ!」

「ぷっ…。ばーか!」

「うるさい!あほ!はげっ!」

「…かなちゃん?少し黙ろうか?」

「やだもん。」

「まったく…。本当にがきんちょだな?
ちゅーすんぞ?」

「やっ…あの…。」



完璧に負けた。

たくやってこんなキャラだったかな?


だんだんSになってる気がする。


それと同時にどんどん
好きになる私ってどうかしてるのかな…?


勝ち誇ったような
たくやの顔が悔しいけど、
すごくかっこよく見えた。


1ヶ月記念日、幸せで壊れそうだった。