『3日だけ待つ。』

たくやにそう条件をつけられた。

あの日それから2日間、
はるかに相談する気にもなれず
私は一人で悩んでいた。


普通なら自分の気持ちに正直になればいい。

もちろん私はOKする。


だけど、一般的に見て私は普通じゃない。

自分にとっての普通が
他の人にとっては異常だという現実に
何度つらい思いをしてきたか分からない。


本当ならたくやと付き合って
デートしたり、二人の時間を過ごしたい。

でも、断らなきゃいけない。


だめだと思えば思うほど、
強くなる《好き》という気持ち。


好きだと思えば思うほど強くなる

たくやへの《罪悪感》

親への《恨み》

自分への《嫌悪感》が私の中で渦巻く。


どうして自分が幸せになる
道を選べないのだろうか。


…悩みに悩んで決めた決断。


《とりあえず付き合って
家庭のことがばれたら別れる》

という、最低な決断だった。

ある意味、たくやの気持ちを
もてあそぶようなものだ。

最低なのは分かっていても
自分の気持ちを押さえられなかった。


いつからこんなに
自制心がなくなったんだろう。

…この決断が良くも悪くも
私の未来を大きく変えることになる。