『今度さぁ、カラオケ行かね?』

もはや習慣のように
なっていたたくやとのメール。

でも遊びの誘いは初めてだった。


『いいよー!』

『まぢ?』

『そっちはまぢじゃないの?』

『いや、まぢ。』

『なら行こうよ?』

『うん。来週の土曜とかは?』

『おっけー!』


予定を決めてから気付いた。

きっとこれ、
二人きりだよね…?

今まで彼氏以外の男子と
二人きりで遊んだことなんてない。


相手が誰だろうと
こんなの緊張するに決まってる。


でも今さら無理なんて言えない。

はるかに相談でもするかな…。

そう思って携帯を開いたとき、
はるかからメールが来た。


『ゆうたと付き合うことになりました!
二人のお陰だよ!ありがとう!』


ひろとと私に向けられたメール。

二人が付き合うのは私も嬉しいけど、
こんな喜んでいるはるかに、
相談なんてさすがに出来ない。


「…ひろとなら大丈夫かな?」

もはや頼れるのはひろとしかいなかった。


この数週間でひろととは
相談し、相談され、
男女を気にしないような
信頼が生まれていた。


ひろとならアドバイスくれるかもしれない。

そう思った私はひろとにメールを打った。


『来週、中学同じだった男子に
カラオケ誘われてOKしちゃったんだけどさ、
どうしよう…?』


今思えば、すごく返信しずらい内容。

でもひろとはすぐに返信をくれた。


『かな、そいつのこと好きなの?』

『え、好きじゃないよ?』

『本当に?』

…そんなこと聞かれても困る。
私の今の悩みに
好き嫌いなんて関係あるのかな?


『本当だよ?それ関係ある?』

『あるだろ。向こうは
かなのこと好きだろうし。』

『いやいや、ないでしょ。』

『かな、鈍いからなぁ〜。』

『だってあり得ないもん!』

『あっそう。まぁ、
恋愛感情がないなら
普通に接してれば大丈夫だろ。』


うーん…。

あんまり解決になってない
気がするのは気のせいだろうか。

考えることが増えた気がする。

やっぱり明日でもはるかに
一応相談してみようかな…。

男女の意見をどっちも聞けば
少しは気持ちが整理できるだろう。