しかし、実物のお姫さまにはひとつ 気になることがありました。
それは 真夜中の親友の行動です。
いつものパジャマパーティをして 枕投げをして寝る時間。
城中が寝静まったころ、影のお姫さまのベッドからなにやら音が聞こえるのです。
そして 音が静まったころにベッドを見ると、なぜか親友はいません。
早朝に帰って来ているようです。
ですが そのことについて親友はまだ話してくれていません。
ある時、お姫さまは思い切って聞きました。
「あなたは夜出かけているようだけど、どこに行っているの?」
すると、影のお姫さまはためらいながら答えました。
「実は…ある人と毎晩会う約束をしているの。」

