そして精霊は、お姫さまの影に向かって魔法をかけました。
「美しい姫の影よ、もう1人の友となりて地上に現れよ!」
すると
お姫さまの影がふたつに割れて、ひとつが地上に飛び出しました。
その黒い影は 段々人の形になり、やがて色違いのドレスを着たもう1人のお姫さまになりました。
「こんにちは、実物のあたし。」
「こんにちは、親友。」
それから2人はとても仲良くなりました。
一緒にドレスを買いに行ったり、ジュエリーを見せ合いっこしたり、夜は毎日のように枕投げをして遊びました。
けんか知らずの2人はいつも一緒でした。