「何?何を払えばいいの?」


お姫さまは必死に聞きました。


王子さまを取り戻すために、親友を消したいと思いました。


「そうですね…。わたしは人の冷たくて暗い影が大好物でしてね…。姫さまのあと半分の影をくれるのなら、あの影を消しましょう。」


「いいわよ。」

お姫さまは現実を見失って、軽く答えてしまいました。


「分かりました。お姫さまが憎しみに目覚めただなんて、わたしも嬉しいですよ…。では、影をもらいましょう。」


精霊は再び、魔法をかけ始めました。


これで、もう1人のわたしと王子さまの結婚を阻めるはずです。


「目覚めし姫の影よ、もうひとつの影の代償に、汝の場所へ帰りたまえ…!」