「棗ちゃーん!やっほー」


 ……今日も来た。


「昨日は俺が呼び出されて
 お昼一緒に食べれなかったから
 今日こそは一緒に食べようね?」

「遠慮させてもらいます」


 あたしはこの人が嫌いだ。

 いつも、あたしに声をかけてきて
 ハッキリ言うとウザすぎる。

 気付いてないのかもしれないけど
 まわりの女子の視線が痛い。


「えー、そんな事
 言わないで食べようよー」


 この人が拗ねた顔をすると
 キャーっと黄色い声があがる

 あぁ、写真なんか撮ってるし。


「先輩ならあたしじゃなくても
 沢山いますよね!

 他あたってくださいよ」


 あたしが言うと
 先輩が眉間に皺を寄せる。


「本気デソンナコト
 言ッテルノカナー?棗チャン?」


 黒い笑みで言われ後ずさる。
 今のは先輩の地雷だったか。


「あと先輩じゃなくて蓮、でしょ?」


 誰が呼ぶか。