ハジマリ:出会い




私は、ある小さく貧しい家で生まれました。


親の顔などは覚えていません、というよりも忘れてしまいました。


私は貧しい為売られました、しかしだからと言って特別何も思っていません


理由は簡単です。



顔もよく覚えていない相手に一々感情を集中させていても時間の無駄だからです



それから私は、売られた私よりも年下の子供達を見て



嗚呼、彼等も親に見捨てられたのかと思いました



そして、しばらく馬車の中で揺られながらも、馬車は止まり



奴隷商人と思われる男が、鞭を叩きつけながら子供たちを馬車から降ろしました



そして、目の前に広がるのはさまざまな仮面をつけ、笑っている者達でした。



ほんの少しの時でしたが、一緒だった子供が次々に値段をつけられ売られていきます



そして、いよいよ私の番になりました。なぜか先ほどの子供たちよりも



私の時、そこには夢中になってお金を賭ける大人たちがいました



そうして、お金の競り合いが続き、もっとも高値で落札した方が



後に私の「主」でした。しかしその時は私と同じ年ぐらいでした。



そう考えているのも束の間、私は馬車に入れられ「主」と向かい合わせに座りました



「おい、奴隷お前の名前はなんと言う?言ってみろ」


「名前はありません。お好きなようにお呼びください」


「そうか、うーむあまり思いつかんな。屋敷に戻ってから付けてやろう」


「・・・。わかりました」

会話が終わった。そう思っていると、


「そうだ、奴隷お前は俺の屋敷で召使として働いてもらう、いいな?」


「了解いたしました。」