トオルが大好きだった。 優しく上がる口元も 笑うと細くなるあの目も何もかも。 忘れたく、ない。 考えたこともなかった。 トオルがいなくなる日が来るなんて。 トオルがいない日常が、当たり前になる日が来るかもしれないなんて。 私は虚ろで、今にも消えてしまいそう。 だけど、奏がいてくれる。 虚ろな私を、見つけてくれる。 私も奏を見つけてあげる。 いつでもいつまでも。 そうやって、生きていけばいいよ。 そういってくれた奏と生きていこうと、私は、誓った。