娘の飼っている犬ピースと言うべきだった。
これでは、娘がピースになるではないか。
私は戸惑いを隠せなかったが、老婦人は私の言い間違いをやり過ごすと
朗らかに笑った。

「いえいえ…可愛いお客様で楽しかったですよ。ピースちゃん、懐こい良いワンちゃんね」

そう言いながら、ピースを撫でる老婦人。
その婦人に対してピースは、尻尾で飛べるんじゃないかと言う位に、尻尾を振っていた。
私はそれを、マッタリと眺めて居た。
なんとも平和な光景だ。私も老婦人の年齢になったら、犬と妻とマッタリと庭を眺める生活も悪くないなと思う。