お姫様のオオカミ




少し時間が経って、ほんのちょっとだけど落ち着いた。
なんとか涙が止まった。

「すっすみません。その、…恥ずかしい所をお見せして」

自分がさっきまで何をしていたのかを思い出してしまい、恥ずかしくて目を合わせられない。

「そんなことないよ。それに、マネージャーには笑顔でいてもらわないといけないからね。ガス抜きもキャプテンの仕事だから」

「すっすみません…」

「詩音ちゃん、謝り過ぎだから。詩音ちゃんは何も悪いことしてないんだから、そんなにいっぱい謝ったりしないの。いいね?」

「はっはい…」

「今日はここの掃除が終わったら帰っちゃっていいから。明日は朝練あるから、寝坊しないでね。じゃっ」

「キャプテン、そっそれは…」

マネージャーなのに、みんなより先に帰るなんて…

「これはキャプテンの命令だから。そんな泣いた顔のマネージャー見たら、みんな放っておけなくなっちゃうから。ねっ?」

キャプテンは私の事を思って言ってくれていたと気付いた。
私は小さく頷いた。

「じゃあ掃除よろしくな。それと…なんかあったらいつでも言って」

私の頭を撫でて、練習へ戻っていった。