お姫様のオオカミ

「…」

何も答えない玲央。
私、まずいことでも言ったの!?
急に不安が押し寄せる。

「すっすみません…あの…」

咄嗟に謝る。
怖くて玲央の顔が見れない。

「…バカ」

「え?」

『バカ』?
私、何かバカなことしたってこと!?

「かわい過ぎなんだよ、バカ」

そう言って私を抱きしめた。
私は訳が分からずあたふたする。

…これは?
ドクンドクン…
私の音じゃない鼓動。
玲央の音?
すごく速い。
私に負けないくらい。

「玲央。ドキドキしてるんですか?」

「なっ…」

少し黙った。

「…してる。すげーしてる」

そう言って少し強く抱きしめた。
玲央もドキドキするんだ…
そのことがなんか嬉しく感じた。