お姫様のオオカミ

いつの間にか、普通に話せるようになっていた。
河原から私の家まで約1時間。
今やっと半分を越えた所だ。

ふと、手を見た。
玲央に手首を掴まれている。

…手、繋ぎたい。

っ!!?
私ってば何を思っちゃってるんだ!!
手を繋ぎたいだなんて、心臓がいくつあっても足りないようなことを…

でも、繋ぎたい気持ちは強くあって…

「れっ玲央…」

「ん?」

呼んでしまった。
玲央が立ち止まった。
私の顔を覗き込むように見る。

私の頬が熱を帯び始める。
ドキドキが加速する。
捕まれている腕にまで波打つような鼓動。

「詩音?」

「あっえっと…その…」

もじもじしてしまう。
『手を繋ぎたい』その一言を言うだけなのに。

「どした?疲れたか?」

「ちっ違います…その…」

「ん?」

「……手」

「て?」

「…手、繋ぎ、たいです」

目を見て話す限界を超えた。
視線をそらすように俯いた。