お姫様のオオカミ

音のする方へ、川の近くへ、走っていった。
よく見ると、人影が見えた。
もしかしたら…

「玲央ですか!!」

考えるよりも先に言葉が出る。
今までで1番大きな声。

「もし、もし玲央なら聞いてください…」

チャンスは今しかないのだから。
違う人かもしれないけど、玲央かもしれないから。
私は玲央だって信じてるから。

「私、玲央の事が好きです。大好きです。だから、玲央がどんなに私を嫌いでいたとしても私は玲央を好きでいます。私がこんなわがままになったのは玲央のせいですから。玲央と出会わなければ、こんな風に好きになることも、一緒にいたいと思うことも、寂しくて、不安で泣いてしまうこともなかったです。弱虫のままの私だったと思います。だから…だから…っ…」

まだいっぱい伝えたいことがあるのに。
私の気持ちを言葉にしたいのに。
涙が邪魔をして話せない。