お姫様のオオカミ



ノックの音。
誰かくる。

「…失礼します。詩音ちゃん、いるね」

先輩だった。
私は結局うじうじ考えてしまっていただけだった。
2時間近くも。

「じゃあ行こうか」

「えっあ、荷物…」

「持ってる」

そう言って見せた私の荷物。
教室に行ったってこと?

「これで大丈夫でしょ?」

「はっはい」

「キャプテン君」

「…なんすか?」

「報われないな」

「ほっといてください」

「あっそ」

「行こう。これ以上一緒にいたらおかしくなるよ」

「えっ?」

「さっきまで預けてたくせに」

「それはそれですから。詩音ちゃん、行くよ」

「あっはい。ありがとうございました、失礼します」

「またなんかあったら来ていいよ。春瀬さんなら」

「えっあ…」「行かせないんで。失礼します」

慌ただしい会話が終わり、保健室を出た。
そのまま先輩に連れられ学校を出た。