お姫様のオオカミ



いつの間にか、家の近くまで来ていた。
涙は収まる気配はないらしい。
さっきよりは落ち着いたが、まだ止まらない。

「詩音ちゃん大丈夫?」

先輩が優しく問いかける。
その言葉に小さく頷く。

「そっか。詩音ちゃんが大丈夫って思うならいいけど」

そう言ってよしよしって撫でてくれた。
ちょっと嬉しかった。

「今日はゆっくり休みなよ。いいね?」

「…はい」

ゆっくり休めない気がする…

「はぁ…そんな顔すんなって。離せなくなるから」

いつの間にか繋がれた手。
今になって気付き、恥ずかしくなる。