お姫様のオオカミ




「…やっぱ俺、学校向いてないかもな」

「え?」

「狭いし、窮屈だし…」

「そっそんなっ」

何を言ってるの?

「このままじゃ、本当に詩音に嫌われる」

「そっそんなことないです」

嫌いになんかならない。
うまく言葉にできない。
伝えないとわかんないのに。
わかってるのに言葉が出ない。

「俺じゃ詩音を幸せにしてやれない」

その言葉が胸に刺さった。
グサって。
効果音が耳元からはっきりと聞こえた。

「…泣かしてばっかの俺が、詩音を笑顔にしてやれるわけがないから」

そう言って目元に触れる。
拭き取るような動作。
…私、また泣いてる。