お姫様のオオカミ

下駄箱で上履きと交換し、そのまま職員室へ直行した。


「失礼します。元木先生はいらっしゃいますか?」

「元木先生ね?今呼んでくるわね」

「はい」

元木先生はサッカー部の監督兼顧問だ。
体育の先生でもある。
少しして、元木先生がやってきた。

「何か用か?」

「あの、これをお渡しに来たんですが」

私は退部届を手渡した。

「『退部届』!?」

「これは私のですので、心配なさらずに」

「春瀬が退部届出したら桜井も辞めちゃうんじゃないか?」

やっぱり、そう言うと思った。

「桜井くん、サッカー好きみたいなので、私がいなくても続けるそうです。なので大丈夫です」

「そっそうか…それならいいんだが」

先生はエース的存在が抜けるのは困るみたい。
私の事はどうだっていい。
まぁ私はおまけだからね。

「じゃあ私はこれで。失礼しました」

一礼して職員室を出た。