お姫様のオオカミ


「詩音ちゃん?」

「…えっあ、なんでもないです」

「そっそう」

今の怪しかったかな?
だっ大丈夫だよね?

「眠れなくなるくらい、桜井の事考えたんでしょ?」

『桜井』の言葉に鼓動が大きくなった。
ドクン…ドクン…って。
すごくよく聞こえる。

「なのに、いいの?諦めて」

「…!!」

驚きを隠せない。
私、諦めただなんて誰にも言ってない。
好きだってことも言ってないけど…
なのになんで知ってるの?

「なっなんで…それを…」

「そんなの言わなくてもわかる。それに、詩音ちゃんは諦めてなんかないよ」

「…?」

私が、諦めてない?
すぐに忘れるのは無理だって思うけど、もう諦めるって…

「そんな泣き顔で、諦めてるわけないだろ?」

「…泣き、顔…っ!?」