お姫様のオオカミ

玲央が何か言おうと口を開いた。
怖くて目をぎゅっと閉じた。

「だっ…大丈夫かよ」

私が思っていたこととは違った言葉。
ひどいこと言うと思ってた。
舌打ちとかされるんじゃないかって思った。
でも違った。

その言葉はとても優しかった。
玲央に優しくされたのは久しぶりだ。
そう思ったら、自然とこぼれていた。

「っ!!」

あふれ出る涙。
止まらない涙。
今わかった。
私、玲央に恋してる。
たった一言優しい言葉をかけてくれただけで、私の心に響いた。
今まで恋じゃないと否定してたのにあっさりと認めてしまった。
私は玲央の事好きなんだ。
大好きなんだ。

「しっ詩音!?」

私の突然の涙に驚く玲央。
久しぶりに名前呼んでくれた…
そう思ったらすごく嬉しくなった。

「…すみません。すみません。すみません」

今だけは許して。
たくさんの『すみません』を言いながら玲央に抱きついた。
今だけでいい。
嫌いでいい。
嫌われていい。
今だけは、こうさせてほしい。