お姫様のオオカミ

「じゃあテストしてあげる。目を閉じて」

「やりません」

私の心は好奇心と不安に埋もれていた。
やってみたい、私の中にある感情がなんなのかはっきりさせたい。
そう思っている自分と、感情をはっきりさせたくないと思う自分がいた。

「いいから」

「嫌です」

私の心は不安の方が勝っているようだ。

「春瀬さんは自分が持っている感情がどんなものなのか気になってるんじゃないの?」

「っ!!」

私の心を読み解いたかのような問いかけに何も言葉が出ない。
驚いている私を見て確信を得た先生は、

「その感情を知る事で何か打開策が見えてくるかもしれないよ?」

優しく言葉をかけてきた。
先生が言った一言は、私が知りたいと思っていることそのもののようだった。
玲央に対する感情を知る事で、玲央に避けられている理由がわかるかもしれない。
そう思った。

「じゃあ春瀬さん、目を閉じて」

私は静かに目を閉じた。