お姫様のオオカミ

「れ…おっ…」

私の視界に玲央がいたから。
こんな至近距離で。

玲央も驚いていた。
彼にとって、ここに私がいることは想定外だったようだ。

お互いに固まる。
どうしたらいいのかわからない。
声をかけた方がいい?目をそらした方がいい?
それともいなくなった方がいい?

先に動いたのは私の方だった。

「ごっごめんなさい…」

小さくそう言い残してその場を去った。
それ以外、思いつかなかったから。