お姫様のオオカミ

「詩音ちゃん、こんにちは」

「…っ!こっこんにちは」

キャプテンの声に驚きを隠せない。

「そんなに驚いてどうしたの?…あ、そっか」

キャプテンは気付いたみたいで、納得したよう。
噂の事、知ってるのかな?

「俺のせいで迷惑掛けたね。ごめん」

「そっそんな、キャプテンはなにも悪くないですから」

知っていたみたい。
キャプテンは謝ってくれたけど、キャプテンは何も悪くない。
きっと、キャプテンは罪悪感に浸っていたんだと思う。
自分のせいで…って。

「詩音ちゃんは優しいのな」

「そっそんな…本当にキャプテンは何も悪くないですから」

私は事実を言ってるだけ。
私なんか優しくなんかない。

「ありがとな。詩音ちゃん、もし詩音ちゃんに何かあったらすぐに言って。いいね?」

「はっはい」

「いい子だ。…みんな、アップ始めるぞ」

「「はいっ!!」」

部活が始まった。
もちろん、そこには玲央の姿もある。
サッカーの時だけしか玲央に会えないでいた。
でも、私が一方的に見つめているだけ。
もう何週間も話してない。
前はあんなにいっぱい話したのに…