お姫様のオオカミ

「ふっ2人とも!?どうかなさったんですか?」

連れ出されたのは人気のない場所。
2人の顔はすごく切羽詰ったようだった。

「詩音ちゃん、聞いてもいい?」

「何をですか?」

私はまだ状況を把握できていない。

「しーちゃん、昨日誰と居たの?」

「昨日…ですか?」

「もしかして…谷村先輩?」

「っ!!なんで知ってるんですか!?」

「ほんとだったんだ…」

困った顔の二人。
2人の顔を見てもまだ、状況を理解できない。

「しーちゃん、びっくりしないでね。あのね、昨日、しーちゃんと谷村先輩が一緒に帰ってるところを見た人がいるの」

「そうなんですか。一緒に帰りましたよ」

事実だもの。
なんでそれが驚くことなの?

「それだけじゃなくて…その…家まで送ってもらったって」

「はい、送っていただきました。もう暗くなっていたので、キャプテンが気を利かせてくれて」

「そっそうなの!?」

「そうじゃなくて、噂になってるのは谷村先輩と詩音ちゃんの関係の事。付き合ってるんじゃないのって」

「…付き合ってなんかいないですよ。キャプテンに相談に乗ってもらってただけです」

「…そっか。それならいい」

「うん。もし付き合ってるって言われたらどうしようかと思ったよ」

「どうしてですか?」

「谷村先輩、人気者だから。先輩の彼女になったらファンの子に何されるか…」

「そっそうなんですか…」

知らなかったぁ。