お姫様のオオカミ

「よかった…」

ホッとしたような表情。
緊張が解けたようだった。

「即答でフラれちゃうんじゃないかって思ってたから」

苦笑いで言うキャプテン。

「キャプテンが真剣に伝えてくださったのに、即答で断ったりできません!しっかりと考えて決断させていただきます」

「ハハッ、嬉しいこと言ってくれるね」

「キャプテンが優しくていい人だって知ってますから」

「『優しくていい人』かぁ。…実際はそうでもないよ。そう見えてるだけ」

「そっそうなんですか!?」

「ハハハッ…詩音ちゃんは素直なんだね。ますます好きになっちゃうよ」

「すっ好き…」

『好き』という言葉に動揺を隠せない。
今にも頭から湯気が出てきそう。

「かわいいなぁ、詩音ちゃんは」

「かわっ…」

「今日はこれ以上何も言わない方がよさそうだね。顔がリンゴみたいに赤くなってる」

キャプテンに言われ、慌てて顔を隠す。
だけど、キャプテンに隠した手を外された。

「かわいいから隠さなくていいよ」

「キャッキャプテン…」

「あっごめんごめん。今日はこの辺にしとこう。家まで送るよ」

「えっあ、でも」

「もうじき暗くなるしね。マネージャーに何か遭ったら困るから」

「はっはい…」

私の家まで、キャプテンに送ってもらった。
家に着くまで、キャプテンはいろんな話をしてくれた。
話していてくれる間、不安はどこかへ消え去っていた。