「じゃぁ、今日から完全寮生活だから、荷物置いてから、教室行こっか?」
                     
                     ここ
「あ、うん。ねぇ綺羅、何で、わた・・・俺が桜華に?」

「お前の、お母さんの要望なんだよ。理由は知らないけど」

「そっか。まいいや、行こうぜ」

「おう」

「ふぅーん。男子校に、女子生徒ね・・・」


「あ、ごめん、先行ってて」

「お、おう」

何かを忘れたのか、戻っていった綺羅。

″先行ってて″なんて言われても

寮どこだよー!!!

「ねぇねぇ、君さ新入生でしょ?」

「はい。俺になんのようですか」

「″俺″なんて言っちゃって。何で男子校に女子生徒がいるわけ?」

「何言ってるんすか?俺、男ですよ?」

「何を根拠に言ってんの?」

「俺が言ってるんだから、根拠もなにもないですよ」

「じゃぁ、確認していいよね?こっち来いよ」

「・・・いっ」

「男子がこれくらいで痛がるんだね」

″笑える″なんて言いながら、ズカズカ歩いていくこの男

なんだこいつ。名前も名乗らず・

「ついたよ。入って」

言われた通りに室内へ入る私。

怖い・・・バレる・・・

思った瞬間

「何やってるんですか?拉致はいけないんですよ。あ、それとも先輩、同性愛ですか?」

「あ、何だお前」

「あ、申し遅れました、桜華高校理事長の息子黒沢綺羅です。何かあったら、アナタはすぐ退学でしょうね。」

「・・・チッ」

「なにやってんの。行くぞ?」

怒らないんだね。

やっぱ、綺羅は優しいよ。

なんてこのあとのことを知らずに思っていた