誰にも、会いたくない…。
ーコンコン
誰か来た。
正直、帰ってほしい。
「入るぞー」
聞こえた声の主は“翔”だった。
何も返事をしなかったら勝手に入ってきた。
何も言わないけど…。
「どうしたんだよ、学校来なくて。」
「ちょっと、行く気がしなくて…。」
「そんなことか!足なら大丈夫なんだろ?!だったら、悪いことなんてないじゃないか。」
ームカッ
堪忍袋の緒が切れた瞬間だった。
「そんなこと!?バッカじゃないの!私にとってはそんなことじゃない!バレエが二ヶ月も出来ないことがどれだけ辛いか分かってないからそういうこと言えるんでしょ!…出てって…出てって!!もう、顔見せないで!!」
ーバッ
クッションが翔の顔に直撃した。
その後、翔は無言で出て行った。
多分、いつもだったらこんなに怒ったりしないだろう。
どこかで翔はこの状態を分かってくれると期待をしてしてしまったのかもしれない。
それだから、余計に腹がたったのかも。
