「こちらこそ。」

軽く会釈してその場を立ち去ろうとしたが・・・。

「彼女はいないんですか!?」

質問してきやがった。

有名な噂だが、『佐伯 璘芳に捉まるとすぐには放してくれない』とのこと。

「いますよ。」

素っ気なく返すが、会話は続く。

「そうなんですか!さぞかし有名企業のお嬢様なんでしょうね。」

驚きつつもお嬢様が相手と勘違いしてるようだ。

「どこの企業のお嬢様なんですか?」

立て続けに質問してくる。

「なんで、初対面の人にそこまで話さないといけないのかな!?」

「べ、別に!聞きたかっただけですっ!!」

怒り気味でその場を去っていった。