信じられない・・・。

どうして・・・。

どんどん、涙が零れ落ちてくる。

何も、してあげられなかった。

気づくことさえ・・・。

そんな自分が情けない。


―ガタッ

「どうした!?河西。」

担任が声を掛けるがそんなの今はどーでもいい。

『早退します。』と言い残して私は教室を後にした。

担任が何か言ってるような気がしたけど上手く聞き取れなかった。





思うが侭に走って行き着いた場所は・・・。


[神谷]と書かれてた家の前に立っていた。

ここは、杏李の家。


―ピンポーン

「は~い。」

中から杏李のお母さんの声が聞こえた。

―ガチャッ

ドアが開いた途端、『あら・・・。』と言って中に入れたくれた。

「どうしたの。」

「すみませんでした!!!!!」

「えっ?」

杏李のお母さんは何?という顔をしていた。

「私が…気付いてあげられなかったから…こんなことになってしまいました。本当にすみませんでした…。」

杏李のお母さんの顔なんて見れなくてお辞儀をしたまま言ってしまった。

「フッ。さぁ、顔を上げて。」

顔を上げたらなぜか杏李のお母さんは微笑んでいた。

「わざわざここまで謝りに来てくれてありがとう。きっと杏李もわざわざ謝りに来てくれたこと嬉しいと思ってるはずよ。」

「・・・」

私は、何も言えなかった。