「別に、そんなんじゃありません!」
つい、強がったけどホントのことです。

葵さんがずっといてくれるだけで嬉しいんです。

すると、何かを思い出したかのように葵さんが言った。
「そうだ!このホテルの中にさ噴水みたいなものが設置してあってよ、
そこで、ひと休みできるスペースがあるんだ。早朝だし、人もあんまり
来ないから、そこ行かね?」

そんなとこあるなんて知らなかった。
行ってみたいかも。

「行ってみたいです。」
「お前、知らなかったか?」
「はい、教えてもらってません。」
「そうか、じゃあ、行くか?」
「はい!」

あたしと葵さんは部屋を出て、そこに向かった。

そこは結構階段が多くて、狭いとこらしい。
あたし、バカだから転んだりしたらチョー恥ずかしいね。

あたしは葵さんの後ろをトコトコついていく。
葵さんの背中すごく大きくて、何もかも素敵。

あたしがただ、好きなだけだけど。

ボーっと眺めていると、やってしまった!
ズルっ!ドン!

「きゃっ!」
転んでしまいました。ボーとしてたから・・・。

「おい!何やってんだよ!って・・おい!」
葵さんは顔を隠しながらあたしを見ている。
なんだろ?

・・・・!?

あたしが今着ている服装はパジャマ用のワンピース。
そう、スカートがペラっとめくれ、下着が丸見えの状態。

大胆で変に転びすぎたからなのか!!!!

急いで隠し、葵さんを睨む。

「おいおい!気をつけろって。ていうか、俺見てねーからな!!」
「む~・・・ホントですか?」
「ホントホント!ほら、危ねーから。」
そう言って手を差し伸べてくれた。

これは手をつなげってこと!?