俺は最近、ひどく忙しくなっていた。

CDの売り上げが急増し、ライブもやることになった。
だから、俺の後輩、乃々華と桃奈ちゃんにはずっと会っていなかった。

乃々華からは俺への気持ちを本人から聞かされた。
びっくりしたが、すげー嬉しく感じていた。

なんだろうか。こんな気持ちはよくわからなくてどうしようもないんだ。

ただ、あいつは俺にとっては可愛い後輩だと思ってる。

でも、あいつを見ると無性に助けてやりたいという気持ちが芽吹くことがある。

先輩として。

あいつの気持ちを聞いたとき、マジドキドキしてしまった。

それから数日が経ち、俺は忙しくなっていた。
握手会やらサイン会、PV試写会、そしてライブの打ち合わせ。

次々に仕事が入り、番組にもよく出るようになってしまった。
レギュラー番組も始まり、マジで忙しく、乃々華と会うことも
少なくなっていった。

そんなある日のこと。
俺たちが収録を終え、楽屋に戻り携帯を見た。
ディスプレイには「乃々華」の文字が点滅していた。

乃々華からのメールが届いていた。

携帯を開き、受信BOXを見た。
乃々華から届いたメールを読んでみると、こう書いてあった。

「葵さんへ
お仕事は順調ですか？
応援しています。

あの、もしよかったら今度お会いすることはできませんか？
久々にホテルに帰って来れる日があれば教えてください。

連絡まってます。　　乃々華」


ということだった。
まさか、乃々華から会いたいなんてびっくりだ。
このメールをメンバー二人にも見せると、びっくりしていた。

久々にホテルに帰れる日をマネージャーに聞いてみた。

日付的には、1週間後のOFFの日だった。
OFFの日なんて珍しいものだ。

そこのタイミングで戻ることにした。