ずっと大好きな君と。

「ひっく・・う・・んっ・・・」
苦しくて苦しくて・・・
一人涙を流していると、ある人があたしを呼んだ。
「乃々華・・?」
この声とあたしを呼び捨てにする人はあの人しかいない。
葵さんだった。
「どうしたんだよ?」
急いで涙を拭い、作り笑い・・・。
「えっ・・別になんでもないですよ・・・。寝れなくて、ここで癒されようと
思っただけですから。葵さんはどうして?」
「あっ、いや俺もなんだけど。たまにここ来るんだよ。」
「そうですか・・」
きっと暗いから泣いたことくらいバレないはず。
と思ってたけど、そんなことはなかった。
「泣いただろ?どした?」
「平気ですって・・・平気・・だもん。」
「何かあったんだろ?言ってみろよ。」
「大丈夫です。心配かけたくないんで・・・」
「既に心配なんだけど。」
頼ったほうがいいのかな?

一人で抱え込もうと決めたんだけど。
こんなことを考えているとまた、涙腺が緩んだ。
「うっ・・・」
「どうしたんだよ?話してみ?」
そんな葵さんの優しい声と笑顔で問いかけられ、
あたしはもしかしたらあたしを闇から引きずり出してくれるかもしれないと思い、
葵さんを頼ることにした。今日のことをあからさまに話してみた。

「それは苦しいよな・・・。」
葵さんに話したあともっと涙が溢れてきて、どうすることもできなくなった。
「あ・・あたし、弱音は吐きたくないのに・・・もう・・・」
ギュッ・・・
暖かいものにあたしの体が包まれたのを感じ、状況を考えてみると、
あたしは今、葵さんに抱きしめられていた。
あたしの後ろからギュッと優しく包み込んでくれた。
「俺の前では弱音吐けよ。桃奈ちゃんとの約束と俺のとは違うだろ?」
その言葉を聞き、あたしは自分の体の向きを変え、葵の胸で声を殺して泣いた。

情けないけど、少しだけ甘えてもいいよね。
しばらく泣き続けたあたしの顔はグチャグチャで。

「ひでー顔だな・・・」
そう言ってフッと笑った葵さん。
「そうかもしれませんね・・恥ずかしいです・・」
「落ち着いた?」
「あっ、はい。グスンっ。ホントありがとうございます。なんか毎回助けられて
ホントに葵さんは先輩として尊敬します。」

「また何かあったら言えよ?」
「はい。」
「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」

そして葵さんは部屋へと戻っていった。
少しは気持ちの整理がついたかもしれない。

明日賭けのことオッケー出そうかな。
勝てば、退けてくれるって言ってたから。

不安だけど、やっぱり自分には負けられないよ。
厳しくしないとだもん。
専属になりたい。
ていうか、なるから。絶対・・・。

でも、あたしさっき、葵さんに抱きしめられたのは夢じゃないよね。
それには本当に心臓に悪いですよ。葵さん。