「お願いします。」
ももちゃんは少しオドオドしながら答えた。

ついてこれる？なんて言われたらオドオドするよね。
あたしの心臓が緊張の嵐でうるさい。
「お・・・お願いしま・・・す。」
「何よ。二人とも。そんな硬いとついてこれないわよ？
柔らかくなきゃ。表情は柔らかくね。」

「「はい！」」

そしてあたしたちの試練が始まった。
「じゃあ、今日はオリエンテーションだけだから。それとほかにもモデルになりたくて
頑張ってる子もあなたたちと一緒のここで練習してるからね。
頑張ってついてきてね。ここでは出来ること出来ない子の差が見えてきちゃってね、
出来る子ってどんどんモデルになってっちゃうのよ。こされないように、
くれぐれも努力しなきゃダメよ。じゃあ、今日はこれで。」

「「ありがとうございました」」
あたしたちは今日から3日後。練習が始まる。
出来る子と出来ない子の差か・・・。

先越されるんだね・・・。どうしよう。自信ないよ・・・。
ももちゃんはトイレに行くと言ってここにはいない。
一人歩きながらももちゃんを待っていると、目の前にSTERBOYZのメンバーが
あたしの横を通り過ぎようとしている。

話しかけづらいかも。下向いてよう。
すると、
「あ～！！もしかして新人のえ～と・・・」
「乃々華さんだろうが。」
竜也さんがあたしに話しかけてきたんだけど！？雄大さんは覚えててくれてる。嬉しいけど、竜也さんには覚えられてないの！？ちょっとショック～。葵さんはどうなのかな？
「あっ！そうそう。ゴメンネ。俺、覚えんの苦手でさ。俺の名前
知ってるよね？」
「あっ・・はい。竜也さんですよね。」
「よく覚えててくれました！！改めてよろしくネ。乃々華ちゃん。」
乃々華ちゃん！？きゃ～どうしたらいいわけ～！ももちゃん早く～！！

だけど、葵さんは相変わらず喋らない。やっぱ、怒ってる？
すると、ももちゃんがタオル片手に戻ってきた。
「あっ、ももちゃん！」
「そちらは桃奈ちゃんだよね！よろしくネ。」
ももちゃんの名前は覚えてる・・・。
「はい！お願いします！」
満面の笑みをこぼしながら竜也さんと握手。
ももちゃんの笑った顔はやっぱ可愛いな～って思うよ！