ももちゃんは相変わらず普通の装い・・。
なんで!?なんでそんな普通でいられるわけ!?

あたしはひどくびっくり。
ももちゃんがラジカセをセッティングした。

あたしは定位置に付き、曲が流れるのを待った。
ももちゃんもあたしの隣に付き、位置確認をする。
「じゃあ、いいかしら??曲入れます。スイッチオン!!」
先生はラジカセのスイッチを入れ、音楽が流れた。

~♫~♫

前に言われた通りの手の位置や足の位置を気にしながら踊りきった。
曲は止まり、一休み。

パチパチパチ!!

みんなの拍手が聞こえた。

踊りきったぞ!!うまく踊れてたかな??

あとはランクを確認してオーディションに挑むだけ。

一歩前進ってところかもしれない。

すべてのペアの発表が終わり、ランク確認をしに行くメンバーたち。
あたしとももちゃんも確認しに行った。

琴吹乃々華・・・ランクA

中野桃奈・・・ランクS
と書かれてあった。

ももちゃんが「S」とってる!!!!
すごい!!
あたしが「A」はもっとびっくり。
Aランクからがオーディション対象。

あたし、ギリギリ・・・。
よかった~!!!!!
なんだろう、この安心感は・・・。本当にこれでいいんだよね・・・。

「のの~!!!!!!あたし、Sランクだって!!きゃ~!!」
「まあまあ、落ち着いてよ!ももちゃんがSランク取るって思ってたよ!
だって、ももちゃんダンス上手いし!!あたしがAランクってのも
びっくりだけど・・・。」
「でも、のの、結構頑張ってたじゃん。Aランクすごいよ~!」

そしてあたしたち残されたものはあと一つ。
それはモデルオーディション。
これさえ受かれば・・・・。

「みんな、よく頑張った!!高ランク取れた子はオーディション
自信持って!いくら低ランクでも自分を信じて望めば
受かるに決まってる。先生はそう信じてるけどね。じゃあ、解散!
あとはオーディションに向かって頑張りましょう!!残り少ないからね。」

「「ありがとうございました!」」

エナメルバッグを肩にかけレッスン場を後にしたあたしとももちゃん。
「いや~・・ランクがあんなに高いなんて思ってなかったよ・・・。」
「でも、ももちゃんダンス本当に上手いよね。ランクが高いなんて
当たり前だよ。あんな、キレのあるダンス踊れる子いないと思うな~。」
「ののも、頑張ってたよ!!ののがあんなに踊るとは思わなかったな~。」

そんな会話をしながらあっという間に家についてしまった。
「じゃあ、また明日ね!オーディション頑張ろうね!」
「うん!じゃあね!!」
今日は本当に疲れた。

もう、早く寝ようかな・・・
そんなことを考えながら苦痛の階段を上る。
部屋に入ってバッグを放り投げ、ベッドに寝っ転がる。

コンコン。