あれから、数日が立ち、

ずっと前にスカウトされた場所に

芸能関係の人との待ち合わせの日。

あたしたちの考えを聞きたいとのこと。

「ゴメーン!!遅かったかな?」
相変わらずあたしは遅刻が目立っていると自分でも分かっている。
こんなんじゃ、テレビのお仕事の時、
みんなに迷惑かけっぱなしになっちゃう・・・・。

「あんたさ、いい加減直しなさいよ!!テレビの時
迷惑ばっかかけることになるよ・・。」
「分かってます・・・。」
「ほら、行くよ!」
そう言ってあたしの腕を引っ張るももちゃん。

ずっと前のあの、デパートに向かい、
フードコートの窓際の席を見ると、とっくにあの人は来ていた。
あちゃー・・・待たせちゃったかも。

あたしのせいだ~・・・
ももちゃんとあたしはその人の下へと駆け寄った。
「すいません!遅れました。」
とあたしとももちゃんは頭を下げる。
「大丈夫ですよ。そこに座ってください。」
優しく言ってくれる小室さん。

そして、本題に入ったあたしたち。
「考えはどうですか・・・。」
「・・・。」
沈黙が続き、気まずい感じ。
それを破ったのはももちゃん。
「あたしと乃々華、事務所・・・入ります。」
「ホ・・・ホントですか!?」
あたしの顔を見つめてくるももちゃん。
これでいいんだよねって聞かれてる感じ。
だから私はとっさに首を縦に振った。

あたしも入るんだから自分の口からでも言っとかなきゃ。
「入ります・・・。」
その一言だけでも緊張の嵐。
心臓がバクバク音を立てている。

「入ってくださるとは嬉しいです。」
満面の笑みでそう言った小室さん。
すると今まで笑っていた顔もだんだんと変わって、
真剣な眼差しを再びあたしたちに向ける。
そして、口を開いた。
「そのためにはオーディションというものに受からなければ
入ることができないことをご存じですか?」

オ・・・オーディション!?
ってなに!?
あたしとももちゃんは顔を見合わせ、驚いた。
「オ・・・オーディションって何するんですか!?」
「オーディションはですね、ダンス審査や、歌の審査、自分をどこまで
アピールできるかが大切になってくる場面です。それに受かることによって
モデルから女優へと努力する者だけが成長していきます。」