ずっと大好きな君と。

「高校か……今のあたしくらいの時?」
「かもな。お前の知り合いとかでやってるやつとかいないの?」

「うーん……聞いたことないけど、いるかもね!」

葵のこと、ちょっと分かった気がする。

葵の高校時代とかどんな人だったのかな?

こんなことばっか聞いちゃうと、キリがないから今度、聞ける機会あったら聞いてみようかな?

「葵の今日の仕事って、お昼過ぎだよね?それまで、一緒にいてもいい?」

「お前がそう言うの、珍しいな。仕事の時間までな。
仕事なければ、ずっとお前のそばに居れるけど。」

「仕事だもん。しょうがないよ!!ちょっと、そばにいれればいいもん!!」


あたしは葵に甘えているのかもしれない。

一度、葵との事で色々あって、あたしははっきり言ってすごく、寂しかった。
それまでは近くには、葵がいた。
でも、急にあたしのそばから居なくなって、なんか怖く感じたし、寂しかった。

だからまたどこか遠くに、あたしのそばから葵が居なくなっちゃったらって思ってしまう。

「ごめんなっ!!仕事までは居るから。」

「うんっ!!ありがとう!」

葵は読んでいた雑誌を閉じて、起き上がって、あたしはその隣に座った。

「………。」

あたしと葵の間には沈黙が続いて、会話が途切れてしまった。

しばらく続いた沈黙を破ったのは葵だった。

葵はあたしの顔を覗き込んできた。

近い……。

あたしの顔になんかついてる?
何か変なのかな?

「ね、キスしていい?」

な………何でキスぅぅぅ!?

「えっ!?……ちょっ……んっ。」

あたしがいいって言うより先に、口をふさがれた。
葵は唇をゆっくり離すと、
「お前さ、俺のこと信じてねぇの?」

なんて、いきなり聞かれて戸惑うあたし。

どうして、そんなこと聞くのかな?

「……何で?」

「さっき、悲しそうな顔してただろ?俺がまた、どっか行っちゃうみたいな?」

まるで、あたしの心を読んだかのようにそう言った葵。

信じてないわけないよ……。そう言いたかったけど答える事ができなかった。

なんか、本当に寂しく思ってきちゃうもん。

そんなことないのに……

「俺は、どこも行かねぇよ?ずっと、お前のそばにいる。だから、そんな悲しそうな顔すんなよ。」

そう優しく言って、あたしの頭にポンッと手を置いた。

頭、触られただけなのにそこから、葵の熱が伝わってきた気がした。